[vol.4-2]ニッチテクニカル – [後編]大阪・関西万博をテクニカル視点で楽しむ –

テクニカルディレクターによるマニアック技術コラム

このコラムはAZAのテクニカルディレクター 木村 壮平が映像、音響、ネットワークに関する様々な情報発信をしていく記事です。

第4回テーマ
『テクニカル視点で楽しむ大阪・関西万博 後編』

▼前編はこちら!
https://www.aza.co.jp/column/nichetechnical4-1

TECH WORLD(台湾)

半導体技術の応用

TECH WORLDは半導体技術を使った展示が中心です。

広い空間の真ん中に円柱にマッピングされた台湾杉があり、その麓には動くモニターが560台配置され、風でなびく草などをイメージしていました。
一番手間に人工の植物(リアル)→動くモニターで植物→円柱のCGと段階を踏んでうまくリアルとバーチャルがMIXされていました。

また別の展示では胡蝶蘭(台湾の特産品)がありその中に透過ディスプレイがあり、蝶が飛んでいる映像が蘭と混ざって綺麗でした。花びらにはプリントがされており、ナノスプレーという技術で半導体のクリーニング技術からきてるようです。

ドイツパビリオン

センスが素晴らしいドイツ

ドイツは入り口でサーキュラーというマスコットキャラクターをもらい、各展示でタッチするとその国の言語で解説してくれます。皆さん耳に当てながら移動していきます。

最初の展示でも平面にプロジェクターを投影するのではなく、投影面を斜めにすることでより空間が広がりますね。

またスピーカーの取り付けが大胆で「ほー」となってしまいました。建具に直接ですかね。万博自体が仮設のイベントなので建築基準などもすこし違うようです。

あと気になったのは湾曲モニターを2枚縦に繋げた展示。海外のカジノなどではよくありますが、発想がいいですよね。

ガンダムパビリオン

妥協のない最高峰のエンターテイメント

ガンダムパビリオンはパビリオンというよりアトラクションですね。

まず中に入るとガンダムの世界が広がっており、展示物や細かい小道具などにも妥協がないので、全体の世界観が崩れることなく素晴らしい体験ができます。
外から見るとエレベーターで1Fから2Fへ上がるだけなんですが、振動、映像を駆使すると中の人は本当に宇宙空間まで上がってきた感じがするので不思議です。

最後の宇宙船も外壁がLEDではなく、箱の中に宇宙船を作り壁に向かってプロジェクターを打っているので臨場感があります。

さらにコンテンツもあー終わりかなってところから二転三転あるので大満足です。

出た時にガンダムの後ろ姿が見えるのもまた味があっていいですよね。

終わりに

まだまだ書きたいことがいっぱいあるのですが、キリがなくなってしまうのでここら辺までにします。
まだ日本ではあまり使われていない技術やアイディアが万博にはたくさんありました。
イマーシブやリアルとバーチャルのミックスなど今後も広がっていくので注目していきたいと思います。

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記事を書いた人

木村 壮平

2007年入社 テクニカルディレクター|長年テクニカルオペレーターとして様々な現場で活躍。現在ではテクニカルディレクターとして高度な技術が求められる大型案件のシステムディレクションを行う。社内の技術アドバイザーとしての役割も担っている。