[vol.4-1]ニッチテクニカル – [前編]大阪・関西万博をテクニカル視点で楽しむ –

テクニカルディレクターによるマニアック技術コラム

このコラムはAZAのテクニカルディレクター 木村 壮平が映像、音響、ネットワークに関する様々な情報発信をしていく記事です。

第4回テーマ
『テクニカル視点で楽しむ大阪・関西万博 前編』

大阪万博も残すところ一ヶ月を切りました。(2025年9月15日現在)

万博展示の映像・音響のニッチな部分を今回はお届けしようと思います。
万博の入り方や予約方法などはたくさんの方が動画などをあげているのでここでは映像や音響のプロが見た万博を紹介し、今後の参考にしていただければと思います。

ベルギーパビリオン

リアルとバーチャルのミックスをBARCO Projectorで表現

まずはベルギーパビリオン。

協賛にBARCOがいることからProjectorは全てBARCO製ですが、それ以上に演出方法が素晴らしかったです。

具体的にはエントランスで自然と水の演出があるのですが、これが外の世界から遮断する効果があり、音、匂いなどでイマーシブ空間を作っていきます。

中の展示は映像は複数台のプロジェクターを使って局面スクリーンにマッピングしていくのですが、センターに人のオブジェクトがありそこへも別プロジェクターでマッピングしているのでリアルなものと背景とがうまく混ざって異空間を作り出します。
また映像自体もとてもクオリティーが高く本編が始まる前にあった壁面の枠が実は映像だったことなど驚きがいっぱいでした。

どこが映像でどこが造作物か分かりますか?

夜になるとパビリオン外壁にマッピングをしていて外からでも楽しめます。

PASONAパビリオン

平面だけで終わらない動くLED

IPS細胞の展示が注目のPASONAパビリオンですが、展示の後半にあるショーがとても素敵でした。
LEDでの映像表示なのですが、LED自体が動くだけでなく上下にも変形するとても制御が難しいものです。
これにより単なる面だけでなく、縮小拡大という表現を手に入れ映像と合わせた時により大きな印象を与えます。

音響もL-Acosticsのスピーカーが入っており迫力と明瞭感がよかったです。

アメリカパビリオン

迫力と実写で圧倒する映像美

アメリカパビリオンではエントランスの時点で巨大なLEDに囲まれ特別感がでていました。

アメリカの自然やスポーツ、文化などを紹介する映像があったのですが、さすが見せ方がうまいアメリカ。
高解像度になるとCGが多くなり実態がなくなってしまうのですが、実写を駆使してアメリカにいきたくなる内容がたくさんありました。

また音響もL-Acosticsが入っていて小さいのによくなるキューブスピーカーでした。

最後は宇宙船に乗って宇宙へ飛び立つ体験ができるのですが上からスモーク、床からは上昇時の振動、壁に埋め込まれたスピーカーから効果音など満載でテーマパークのアトラクションのようでした。

後編に続きます!

▼後編はこちら!
https://www.aza.co.jp/column/nichetechnical4-2

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記事を書いた人

木村 壮平

2007年入社 テクニカルディレクター|長年テクニカルオペレーターとして様々な現場で活躍。現在ではテクニカルディレクターとして高度な技術が求められる大型案件のシステムディレクションを行う。社内の技術アドバイザーとしての役割も担っている。